映画「何者」の感想
昨日は映画「何者」を新宿バルト9に見に行きました。
座席は満席。注目作であると同時に、人々の意識が映画に向いてることを感じますね。
「何者」ですが、僕は原作ファンで、大まかなあらすじを理解していましたが、それでも楽しめましたよ。
「何者」も「君の名は」と同じく川村元気プロデューサーの映画です。
川村元気プロデューサーは今年の東方にすごく貢献してますね。
何者にもなれない苦しみ
タイトルの何者は、「何者」でもない自分を表しています。もっと衝撃的な事実が、ラストで明かされるのですが…。
この映画は主に就職活動という、「何者」でもない自分との戦いに挑む若者たちのお話です。
学生という社会に対する鎧を脱ぐことを半ば強制されて、社会人という肩書を得るために就職活動を行う。その中で苦しみあえぐ若者のお話です。
あの年代の若者は全員が通る道なのかもしれませんが、他人を客観的に分析することで、「自分はこいつらとは違う」と思いたくなるのです。僕も少し心当たりがあります。
それもこれも、「何者」でもない自分から目をそらすためです。
明るく元気な人でも、その裏は苦しみもがいてる
客観的に見えてるつもりの人に共通しているのが、「自分はこんなに苦しんでるのに、他の人は気楽そうだ」と思っていることです。
「自分は冷静に人を分析する余裕がある。あいつらとは違う」と思いながら、「自分はあいつらよりがんばってる」という錯覚の中生きています。
でもその実そんなこともありません。元気にキラキラしている彼も彼女も、その裏では死にそうになりながらもがいているのです。誰だって悩みの総量は同じくらい。「自分だけ苦しい」なんてことがあるわけないのです。
弱い部分を出せる人の方が強い
客観的に見ている気分になっている人は、人の弱みをみつけて、そこを重点的に突っ込みます。
そのため、人から突っ込まれる「弱さ」を見せないのです。なるべく自分を飾り立てて、隙のない人間像を作ろうとする。
でも本当に強いのは、あえて自分の弱みを見せていける、「何者」の中でいうと光太郎のような人だと思います。人から見て「ツッコミしろ」がある、隙を見せていく度量のある人のほうが本当は精神的に強いし、何より「魅力的」です。
うーん僕はそんな人になりたいと、そう思ってます。