「君の名は。」という映画は、新海誠のゴールだった ネタバレ書いたかも
準備万端なので、『君の名は。』を見てきました。
渋谷HUMAXシネマで見ましたが、満席でした。ゴジラでさえちょっと空いてたのに…。
「君の名は。」良い映画でした
前評判に違わず、とても良い映画でした。
飛騨ののどかな景色も、嫌ってほど見てる東京の景色も、とても綺麗に描いていました。風景描写の綺麗さには定評のある新海誠監督ですが、今回もかなりキテます。綺麗な絵面を見られるだけでも、十分映画館で見る価値はある。
確かに突拍子もない話だし、設定も説明が少ないし、「都合がいい」みたいなこと言われるのもわかる。新海誠にしてはハッピーエンドだし。
でも幸せになれる映画が大好きな自分としては、まあ、文句なしです。お金払った分は取り戻して余りある。
ジブリを託さている
宮﨑駿が一線を退いた今、かつての皆が見ていた「ジブリ」像は宙ぶらりんです。誰が見ても楽しめるアニメ映画は誰が担うのか…みたいな押し付け合いが行われているのを感じる…。
細田守と、この新海誠も、ジブリ役の一端を担わされているのを感じます。
そして今回はばかみたいに客が入っているのからも分かる通り、その期待に十分応えたと思います。
しかし、問題は次回作をどうするのかということ。
新海誠が答えを出してしまった
過去作をすべて見ていないものの、僕が知る限り新海誠はいつも、「スレ違い」と「最後の決別」をテーマに映画を作ってました。しかしネタバレになるけど、今回最後は…!
あの会いたいけど会えない切なさから脱却してしまった今、新海誠の今後の作品の方向性はどうなるのか。勝手に心配してしまいます。しかも今後はお金が絡んでたくさんの人から期待されて、自分らしい映画を作れなくなるのでは…!
とはいえ、ここが一皮むけるチャンスと取れなくもないです。日本を代表する天才劇作家にはぜひ頑張って欲しい。
『君の名は。』はコミュケーションの映画です
他の新海誠作品もそうだけど、今回も映画で「コミュケーション」を描いたと思う。
すごく遠い距離にいた二人が、近づくのを通りすぎて入れ替わってしまう。そして徐々に距離を縮める。すごくいびつに。でも着実に距離を縮めて、糸を丁寧に結んで、解けても諦めず結って、最後は…。
今まではすれ違った二人を描いた新海誠は、今回こそ、確かな意志を持って二人は距離を縮めたのです。
周りの人の助けとか支えを得ながら。
人に頼らずコミュケーションを図った「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」とは違い、今回はたくさんの人に囲まれながら、最後二人は出会うのです。
いい映画でした。映画を見た後言葉が溢れるのはいい映画の証です。
時間切れなので終わります。